
「鍼灸師の資格を取ってすぐに豪華客船で働きたいけど大丈夫かな?」
今回は豪華客船で働くのはどのタイミングが良いのか、個人的な経験を踏まえて考察します。
目次
豪華客船で働くための条件
まずは船で働くための条件を確認しましょう👇
鍼灸師
学位/資格免許/卒業証書をお持ちの方
臨床実習と授業合わせて2000時間以上(日本の鍼灸国家資格者ならOK)
情熱を持ち、中医薬を含む鍼灸の紹介と宣伝を楽しんでできる方
英語中級レベル(日常会話が問題なくできる程度)
健康な方
7カ月日本を離れられる方
スタイナーレジャーの日本のリクルートエージェント、The English Villageより抜粋
日本の学校を卒業した鍼灸師の方で、乗船のための条件の中で気になるのは「英語中級レベル」でしょう。
英語のテストはMarlins Testというテストを受けます。
80%以上のスコアで合格です。
- リスニング
- 文法
- 語彙
- 数字の数え方
- リーディング
難易度はセンター試験より簡単ですが、リスニング等やはり対策が必要です。
上記で紹介したThe English VillageでもMarlins Testの対策をしてくれますが、
英語をこれから勉強するという方はまずは簡単な単語帳&文法書から始めるのをオススメします。
スクールで1から勉強するのはモチベーション維持には良いですが、ある程度基礎を自分で学習した後に必要な部分をスクールで補うのが一番コスパがいいでしょう。
お金に余裕があればはじめからスクールでもOKだと思います。
具体的なオススメの単語帳と文法書はこちらの記事に書きました👇
Marlins testをクリアすると次に英語力が問われるのが、面接です。
アメリカの会社とスカイプで英語で面接を行うので、深夜にやることが多いです。
僕は当時ゲストハウスで住み込みをしていたので、午前3時コソッと起きてコモンスペースでスーツを来て面接を受けたのは良い思い出です。
その時の様子を詳しく書いたのがこちらの記事です👇
僕は資格取得してから4ヶ月後に乗船しました

僕が学校を卒業したのは2018年3月末です。
そして豪華客船に乗ったのが8月頭です。
つまり卒業してから4ヶ月で船に乗ったことになります。
卒業後、ゲストハウスに住み込んでたまに治療の練習もさせてもらっていました。
乗船まで鍼灸の勉強をしつつ、英語を使う環境に身を置き、船で働く準備をしていました。
他の鍼灸師さんや一緒に働いていたスパメンバーの経歴

豪華客船に乗船している(していた)鍼灸師さんと話していると、ほとんどの先生は数年間、日本の治療院で働いているケースが多かったです。
一緒に働いていたスパのメンバーの経歴もある程度、その職種での勤務経験がある状態で船に乗る人がほとんどでした。
最適なタイミングは人それぞれ

「いつ乗船すれば良いか」悩んでいる人もいるかと思います。
答えは人それぞれです。
ただ重要となる乗船のタイミング判断基準は「臨床力」「英語力」だと思います。
(❇︎ビジネス力は、環境に適応するにつれ向上すると考えます。もちろん努力は必要ですが。)
船には鍼灸師が1人しかいないので、求められるのは治療家としての知識と経験。
セミナー、治療だけでなく船では生活の全てが英語なので、ある程度英語力はやはり求められます。
この両方が十分にあれば良いですが、個人的にはどれか1つが問題ない(と自分で思える程度)なら挑戦してよいと思います。
❇︎当然、いくら臨床力があっても英語で生活するので英語全くゼロだと厳しいです。
世界における日本人鍼灸師のニーズ
『日本人』×『鍼灸師』ってだけでかなりのアドバンテージがある。
お陰でゲスト(主にアメリカ人)とラポールを築きやすい。
これはパスポートように日本への信頼があるからだろう。
正直この優位性がどこまで続くかはわからないが。#evから世界へ #豪華客船 #鍼灸師 #btw猫可愛い pic.twitter.com/kou0xSQ5ah— aki (@akiacu) August 18, 2019
2019年8月にアラスカでこのようにツイートしましたが、日本人鍼灸師の海外におけるニーズはまだ高いと思います。
TCMが海外では主流ですが、日本人による日本鍼灸は豪華客船でも本当に評判が良かったです。
しかしこのニーズがもちろんずっと続くわけではありません。
ずっと続くニーズなど世の中にないからです。
現在は良いですが、未来はわかりません。
ぶっちゃけ、ほぼ未経験で豪華客船で働いてどうだったか?

正直、初めの数ヶ月は本当に大変でした。
乗船した初めの月は、運が良くかなりのゲストが鍼治療を受けに来てくれました。
新しい仕事環境の中、新米鍼灸師が2部屋をさばくわけですから、仕事が終わると毎日グッタリでした。
それでも治療に不安を感じたらどれほど疲れていても、明日くるゲストの準備をしてから寝ていました。
海の上では頼れるのは、持っていた治療本だけ。(プラス、治療で役に立つものをパソコンに入れてました)
なので働き始めた最初の1,2ヶ月の記憶は治療以外あまりないです。
その後は仕事や船の環境に慣れたので、世界の街を楽しむことが出来ました。
結論:学生時代や乗船してからも空いた時間、出来るだけ勉強すれば船でもやれます。
それでも未熟なまま海外で働くなんて考えが甘い、ゲストに失礼だという意見もありそうですが、そういう意見も理解できます。
ただそれは日本にいても同じことで、誰でも技術が未熟な時はあります。
そういう時期を乗り越えてみんな成長するので、自分の適切なタイミングが来たら誰に言われようが行動しましょう。
面接を通過すれば、あなたは豪華客船で働く資格があるのですから。
必要なのは決意と準備

他の先生のように「数年の臨床経験」+「その数年で英語も同時に勉強する」のが一般的な道かもしれません。
しかし僕のように卒業して数ヶ月で乗船するケースもありますので、やはり人それぞれかと思います。
まずは自分の「臨床力」と「英語力」の現在地を把握しましょう。
そしてご自身の長い人生の中でタイミングよく豪華客船に乗れる時期があり、Marlins Testと英語面接に通るだけの英語力、そして1人である程度治療できると思えたなら「豪華客船勤務のGOサイン」だと思います。
こちらの記事で少しでも仕事場のことを知っていただけたら幸いです👇
豪華客船の仕事場を公開〜鍼、ハーブ、マッサージだけじゃない〜
大切なのは乗船タイミングは人それぞれだということで、そのタイミングを「自分で決める」ということです。
おそらく乗船に迷っている人は周りの友達や先生に「いつ頃乗ればよいのか」相談すると思います。
そのアドバイスをそのまま聞いてもいいですが、もし「今乗りたい」と考えているのに他人が「あと数年後にしろ」と言ったから自分の気持ちを押し殺してチャレンジしないなら良くないと思います。
どれだけ乗船時期を考えてもベストなタイミングを判断するのは正直難しいと思います。
もしかしたら「あと数年後の方が良かった」「そもそも豪華客船は自分に合ってなかった」と乗ってから思うかもしれません。
しかしそれは、「乗ると決断したから思える事」という事を忘れてはいけません。
むしろその失敗は必ず次に活かされるでしょう。
最後に「豪華客船への決意を強固にし、具体的に歩み始めるために」質問をいくつかお聞きしたいと思います👇
POINT
- 数ある選択肢の中で、本当に豪華客船で働きたいのか
- もしそうならなぜか⇨それは他の選択肢では達成できないことなのか
- 船で働くと決めたら、いつ乗船するか
- そのタイミングで乗船するために、「英語力」「臨床力」をどれ程上げる必要があるか
- この2つを向上させるゴールを設定したら、今から具体的にどう行動すれば良いか(短期、中期、長期プランをつくる)
- そして各プランをどれほど達成できているか、こまめに振り返る
- もし達成できていないなら何が足りないのか(モチベーションが続かない、目標が高すぎる、勉強する時間を確保できていない etc )
1年ほど豪華客船で鍼灸師として働いた僕からお伝えできることは、「最後は自分で決断しましょう」ということです。
このブログや働いた人から船の情報を集める作業も必要ですが、タイミングは人それぞれである以上、結局は自分で決意しなければなりません。
海外で暮らすと、より自分の意見を明確にして、自分で決断し行動する必要性を感じます。
偉そうなことを長々と書きましたが、僕はこれから海外でチャレンジしようとする方が増えれば鍼灸業界はもっと面白くなると信じています。
少しでも乗船へのイメージが湧いていただけたら、本当に幸いです。
質問あればコメント、メッセージから遠慮なく送ってください。
またTwitterも同時にしているので、よければフォローしてください:)
では、また!