僕が乗船していたSeabourn Ovationは乗客が約400人です。
クルーズによりますが、忙しい日(特にSea day)は2部屋使い、30分ずらして予約を入れ、同時に治療していました。
結果、1日10人以上のゲストを治療することになります。
スカイプ面接でも「これまで複数のゲストを同時に治療したことがあるか?」と聞かれるほど、船では求められるスキルの1つです。
では、どんな人が、どのような理由で鍼治療を受けに来るのでしょうか。
患者の国籍
僕が治療するゲストの国籍は様々ですが、アメリカやヨーロッパ(特にイギリス)からの人が多いです。
海外在住の日本の方も治療をしたことがあります。
ちなみにアメリカ人が多いクルーズでは、チップが良いです♫
治療するゲストの年齢層は?
日本と同じで、症状が出てから治療に受けにくる人が多いです。
高齢になると身体に悩みを抱えることが多くなるのは、どの国の人も変わりません。
よって治療を受けるゲストの年齢層は20代から80代と幅広いですが、やはり60歳以上の方が多いです。
どんな疾患が多い?

鍼灸師が豪華客船で働く時の広告(疾患リスト)
これはゲストに配られるAcupunctureの広告にある疾患リストです。
写真にあるリストが、鍼の適応疾患として紹介されます。
左から
・ストレスに関連する疾患(不眠、うつ、めまい、倦怠感など)
・消化器系疾患(GERDs、逆流性食道炎、吐き気など)
・呼吸器系(喘息、COPD、副鼻腔炎など)
・痛み(頭痛、肩こりなど)
・その他の疾患(浮腫、更年期障害、末梢神経障害など)
この中で一番多い疾患は痛みで、特に腰痛、臀部の痛み、膝痛は多いです。
関節リウマチの痛みや坐骨神経痛もお馴染みの疾患です。
不眠症や肥満も痛みと共に抱えているケースが多く、はじめの問診でしっかり聞き出すことが大切です。
また船特有の疾患だと、船酔い(Sea sick) があります。
車酔いと変わりませんが、ひどい船酔いは吐き気、めまい、頭痛、寒気など様々な症状を引き起こします。
こんな状態ではせっかくのバケーションを楽しめないということで、鍼治療を受けにきてくれるわけです。
またこのリストにある疾患だけでなく、病院に行ったけど異常がなく病名がつかない疾患を持つゲストが結構います。
広告を見て『鍼はこれらの疾患に効く』とゲストは思って鍼灸師の所にくるので、対応できるようにする必要があります。
では次に僕がどのように治療したのか具体的に書いてみました↓
豪華客船の仕事場を公開〜鍼、ハーブ、マッサージだけじゃない〜