フィリップスの睡眠デバイス「Smart Sleep(スマートスリープ)」を使ってみました。
ハーバード大学医学部教授を始めとした世界的な医師・科学者とともにフィリップスが14年の月日をかけ開発したスマートスリープ、その実力はいかに。
データと共に正直なレビューをしていきます。
目次
睡眠デバイスSmart Sleep(スマートスリープ)とは?

スマートスリープはフィリップスが作った睡眠の質を高めるデバイスです。
就寝時に頭にヘッドバンドを装着し脳波を測定しながら、深い睡眠時にはオーディオトーンが流れ、深い睡眠の質を向上させるというものです。
公式サイトによれば、スマートスリープの対象者は以下の通りです👇
- 年齢が18歳以上50歳以下である
- 睡眠時間の不足が原因で、日中の眠気等を感じる、寝起きが悪い
- 睡眠時無呼吸症候群や不眠症(入眠ができない、夜中何度も目を覚ます)等、睡眠障害と診断されたことがない
- 聴覚障害と診断されたことがない(ヘッドバンドより微弱の音を流すため)
- 2週間程度の継続使用が可能な方(効果を感じるのに2週間程度必要なことがあるので、2週間継続してのご使用をお勧めいたします)
*SmartSleep ディープスリープ ヘッドバンドは50歳以下の方にお勧めします
スマートスリープのメリットは以下の5つです👇
- 睡眠時間を変えずに、睡眠の質を向上できる
- 目覚めがよくなり、日中のパフォーマンスが高まる
- 専用アプリと連動して、睡眠のサイクルや質を測定、可視化
- 薬物を使用せず、睡眠改善効果が期待できる
- ヘッドバンドを装着するだけで、毎日簡単に
*1日6時間未満の睡眠時間の人に効果が期待できます
*すべての人に効果があるわけではありません
ネットにあるスマートスリープのレビュー

公式サイトには72%が2週間以内に効果を実感し、残りの28%は効果を感じなかったとのこと。
またAmazonなどの販売サイトでもレビューは総じて良いものの、効果がないというレビューもあります。
低評価でよく見られた理由は、「ヘッドギアが気になって寝れない」「締め付け感がある」などです。
高評価で見られた理由は「確かに目覚めが良くなった」「昼間の眠気が減った」「熟睡し疲れがとれた」などです。
フィリプスのサイトにもあるように、人によって効果が変わってくるようです。
スマートスリープの使用方法はとても簡単

箱が送られてきたら、まずは中身を確認しましょう。
僕は楽天で購入しました。

写真のように箱の内側にも詳細が書かれていますが、スマートスリープの使い方はとても簡単です。
- まずはヘッドバンドを2〜3時間、充電します。
- 「Sleep Mapper」という専用アプリをダウンロード
- センサーを取り出す(その後しっかり封を閉じる)
- センサーを右耳の後ろの骨に取り付ける
- ヘッドバンドにある額センサーの位置が、額にあるか確認
- ヘッドバンドのコネクターとセンサーをパチっとはめる
- 内臓スピーカーが耳の上にあることを確認
- ヘッドバンドが楽にフィットしているか長さの調整
- 最後にヘッドバンドの電源ボタンを1秒以上押す。するとビープ音が流れる。使用準備ができるとビープ音は消える。
文字で書くと長いですが、簡単なのでご安心を。
スマートスリープは本当に睡眠の質をコントロールするのか?

フィリップスが14年の月日をかけ作った睡眠デバイスが本当に効果があるのか、検証してみました。
検証するにあたり、以下の条件でスマートスリープを使用しました👇
【スマートスリープの効果を確かめるための条件】
・基本的な睡眠スケジュールは0時に就寝、7時に目覚ましの7時間睡眠
・朝9時までには朝日を浴びる
(朝日を浴びてから14〜15時間後にメラトニンが分泌が増加されるため)
(この睡眠ホルモンが増えることで、自然と眠くなる)
検証方法

スマートスリープは深い睡眠時(ノンレム睡眠)にオーディオトーンが流れ睡眠の質を向上させますが、このオーディオトーンを流さず脳波だけ測ることも可能です。
今回はオーディオトーンのオンとオフ時で、実際にどれほど違いを感じるのか検証していきます。
6日間のデータの比較です。
オーディオトーン、オン1日目



- Score : 100
- 覚醒 : 0.5 %
- レム睡眠 : 33.0 %
- 浅い睡眠 : 43.7 %
- 深い睡眠 : 22.8 %
睡眠時間は6時間42分。睡眠スコアは84で、オーディオトーンの効果により+16。合計は100点。
睡眠のグラフを見ると深い睡眠に入ったのが7回。最初の5回の深い睡眠時にオーディオトーンが流れていた。
起床時のスッキリ感はアリ。日中の睡魔はなし。疲労感もなし。
オーディオトーン、オン2日目



- Score : 100
- 覚醒 : 1.2 %
- レム睡眠 : 25.8 %
- 浅い睡眠 : 47.7 %
- 深い睡眠 : 25.3 %
睡眠時間は6時間50分。睡眠スコアは85で、オーディオトーンの効果により+15。合計は100点。
深い睡眠に入ったのが5回。全ての深い睡眠時にオーディオトーンが流れていた。
起床時のスッキリ感はアリ。日中の睡魔はなし。疲労感もなし。
朝から活動的に動けた。
オーディオトーン、オン3日目


- Score : 100
- 覚醒 : 0.3 %
- レム睡眠 : 33.1 %
- 浅い睡眠 : 38.6 %
- 深い睡眠 : 28.0 %
睡眠時間は6時間10分。睡眠スコアは77で、オーディオトーンの効果により+23。合計100点。
深い睡眠に入ったのが6回。全ての深い睡眠時にオーディオトーンが流れていた。
睡眠時間が6時間ちょっとで短かったが、目覚めは良かった。
6時間ほどの睡眠時間では普段はまだ眠気があり、まだ寝たいと感じるので不思議な感覚だった。
睡眠時間が短くてもスコアが100で、身体の調子も良いと感じれるのは嬉しい。
オーディオトーン、オフ1日目
オーディオトーンの機能をオフにして寝てみました。



- Score : 57
- 覚醒 : 5.1 %
- レム睡眠 : 22.7 %
- 浅い睡眠 : 43.6 %
- 深い睡眠 : 28.6 %
睡眠時間は5時間24分。睡眠スコアは57。深い睡眠に入ったのが6回。
この日は寝つきも悪く最初の深い眠りに達したのは1時頃(いつもは就寝してから30分くらいで深い睡眠に達する)
また6時くらいに自然に起きたので睡眠時間は短め。
それでもスッと起きれ、目覚めは良かった。
しかし日中や、午前中でさえ眠気を感じた。
疲労感は少しある。
こういう睡眠時間が短い時にオーディオトーンがあれば、この日の感じ方も変わってきたのかなと思った。
オーディオトーン、オフ2日目


- Score : 合計 77
- 覚醒 : 4.8 %
- レム睡眠 : 25.9 %
- 浅い睡眠 : 42.5 %
- 深い睡眠 : 26.8 %
睡眠時間は6時間32分。睡眠スコアは77。深い睡眠に入ったのが8回。
目覚めは良。
疲労感はないが、日中の眠気はある。
オーディオトーン、オフ3日目


- Score : 合計 83
- 覚醒 : 0.2%
- レム睡眠 : 26.9%
- 浅い睡眠 : 43.8%
- 深い睡眠 : 29.1%
睡眠時間は6時間37分。睡眠スコアは83。深い睡眠に入ったのが8回。
起床時のスッキリ感はアリ。日中の睡魔はなし。疲労感もなし。
全体的な調子の良さを感じる。
それもそのはずで、アプリから「深い睡眠の時間が過去と比べて今回は長く取れているよ」というメッセージがあった。

「実際に感じる身体の感覚」と「グラフやスコアで可視化されたデータ」が一致しており、このデバイスの正確性を感じる。
検証データのまとめ

睡眠スコアは平均して77点でした。
またオーディオトーンがオンの時は、睡眠の質をブーストし3日間とも100点になりました。
僕の場合、目覚めはオーディオトーンがあってもなくても良かったです。
日中に感じる眠気や集中力の持続時間、疲労感に違いを感じました。
この効果を感じ方は人によって違うのでしょう。
またフィリップスが「1日6時間未満の睡眠時間の人に効果が期待できます」と言っていますが、やはり睡眠時間が短い時の方が効果は感じやすかったです。
ただ7時間以上寝た日でも「なんとなく調子が良いな」と僕は感じていたので、睡眠時間をしっかり取っている人でも更にパフォーマンスを上げたい方は試してみてもよいかと思います。
フィリップスの睡眠デバイスSmart Sleep(スマートスリープ)を使った感想、まとめ

実際にスマートスリープを使ってみた感想のまとめです👇
- 睡眠時に頭にヘッドバンドを付けることが気になるのは、始めの数日間だけだった
- 毎日の眠りを可視化できるのは良い
- 点数化するので自分の睡眠を良くするためにどうすればよいか、普段から食べるものや運動など気にするようになる
- オーディオトーンOFF時と比べてみるとオーディオトーンが流れた方が、(特に睡眠時間が短い日には)朝起きた時のスッキリ感があり、日中の眠気も感じない
- PC作業時など、集中できる時間が長くなったと感じる
- スマートスリープは「睡眠の質を上げ、日中のパフォーマンスの質を上げる」と僕は感じた
特にスマートスリープいいなと感じた時は、ある日、深夜2時に寝た時でした。
それまではベットに入る時間が深夜2時など遅い時間になると、(その後何時間寝ようと)翌日体調があまり良くなく、集中力が落ちる1日を過ごしていました。
しかしその日はスマートスリープをつけオーディオトーンを流して寝ていて、(睡眠時間6時間で)翌日の調子は良かったのです。
オーディオトーンの効果で21プラスされ、スコアも100でした。
集中力が落ちるので就寝時間をいつも気をつけていますが、たまに寝る時間が遅くなる時があります。
そういう日があった時でもスマートスリープの力を借りれば、翌日のパフォーマンスを落とさないように出来るのだと感じました。
スマートスリープはどういう人にオススメか?

今回は最大7時間の睡眠という条件でスマートスリープの効果があるか検証しました。
(検証時だけでなく)僕は普段からスマートスリープを使っていますがとても効果を感じていて、お気に入りのデバイスです。
しかしフィリップスのサイトやAmazonなどのレビューにもあるように、全員がスマートスリープの効果を感じるという訳ではないようです。
(僕は効果を実感する72%のグループだったということです)
よって以下の条件に当てはまるのであれば、自分にスマートスリープが合うかを試してみるのも良いでしょう。
- 年齢が18歳以上50歳以下である
- 睡眠時間の不足が原因で、日中の眠気等を感じる、寝起きが悪い
- 睡眠時無呼吸症候群や不眠症(入眠ができない、夜中何度も目を覚ます)等、睡眠障害と診断されたことがない
- 聴覚障害と診断されたことがない(ヘッドバンドより微弱の音を流すため)
- 2週間程度の継続使用が可能な方(効果を感じるのに2週間程度必要なことがあるので、2週間継続してのご使用をお勧めいたします)
また寝る時間が遅くなると翌日あまり集中できない、頭がスッキリしないという方にも良いのではと実体験から思います。

価格は4万円ほどしますがこれで1日がご機嫌に過ごせるなら、良い投資だと思います。
30代以降は深い睡眠のノンレム(徐波)睡眠が少しずつ減ってくるといいます。
結果、物音や尿意で目が覚めやすくなり、寝ても疲れがとれないという不調が生じやすくなります。
そういった人生の質を低下させてしまうリスクを早めに取り除くことは大切ですね。
毎日少しずつ睡眠不足が借金のように積み重なっていく「睡眠負債」に不安を感じる方は、睡眠の質をコントロールするデバイス「スマートスリープ」を試してみる価値はあると思います。
では!